ゲーミングPCを5万円以下で手に入れたいと思っても、実際にはどのような選択肢があるのでしょうか。
結論から言うと、新品での購入は極めて困難ですが、中古や自作なら現実的な選択肢があります。
この記事では、5万円以下でゲーミング環境を構築する具体的な方法と、実際のゲーム動作例を詳しく解説します。
最新の価格調査と性能検証に基づいて徹底調査したので、限られた予算でゲーミングPCが欲しい方は、ぜひ参考にしてみてください。
ゲーミングPC5万以下の現実!新品購入は困難?
5万円でゲーミングPCを手に入れたいという気持ちは非常によく分かります。
しかし、現在の市場状況を正直にお伝えすると、新品でのゲーミングPC購入は5万円では現実的ではありません。
まずはこの厳しい現実を理解した上で、実際に選択可能な方法を探っていきましょう。
新品ゲーミングPCの最低価格相場は10万円から
大手BTOメーカーの最安値ゲーミングPCを実際に調査した結果、現在の相場は以下のようになっています。
新品のゲーミングPCは、どのメーカーでも10万円前後が最低ラインとなっているのが現実です。
これは2025年の価格高騰の影響もあり、数年前と比べてゲーミングPC全体の価格が上昇していることが要因です。
グラフィックボードの価格上昇、CPUの高性能化に伴う価格上昇、さらにメモリやSSDの価格変動も影響しています。
なぜ5万円では新品が困難なのかというと、ゲーミングPC用のグラフィックボード単体で3-5万円することが主な理由です。
これにCPU、マザーボード、メモリ、電源、ケースなどの基本パーツを加えると、どうしても10万円程度の予算が必要になってしまいます。
5万円以下で選べる現実的な選択肢3つ
新品購入が困難とはいえ、5万円でゲーミング環境を手に入れる方法は存在します。
現実的な選択肢として以下の3つの方法があります。
・中古ゲーミングPC
・自作PC
・アウトレット・型落ち品
中古ゲーミングPCなら、数年前のモデルでも十分にゲームが楽しめるスペックのものが5万円台で見つかることがあります。
保証期間は短めですが、すぐにゲームを始められる完成品を手に入れることが可能です。
自作PCでは、新品と中古パーツを適切に組み合わせることで、5万円でもそれなりの性能を実現できます。
組み立ての知識は必要ですが、将来的なアップグレードも考慮すると長期的にはコストパフォーマンスが高い選択肢です。
アウトレット・型落ち品は、新品に近い状態でありながら価格が大幅に下がった掘り出し物を狙う方法です。
タイミングと情報収集力が重要になりますが、運が良ければ高性能なPCを安価で入手できます。
5万円以下でゲーミングPCを手に入れる方法
それでは、実際に5万円以下でゲーミングPCを手に入れる3つの方法について、具体的な手順と注意点を詳しく解説していきます。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分の状況に最適な方法を選択してください。
中古ゲーミングPC|メリット・デメリット
中古ゲーミングPCは、5万円という予算制約下で最も現実的な選択肢の一つです。
5万円台であれば、GTX1650 + Core i5クラスのスペックを持つPCを見つけることが可能です。
中古購入のメリットとして、完成品をすぐに使用開始できる点、店舗購入なら短期間の保証が付く場合がある点、組み立ての知識が不要な点が挙げられます。
また、過去の高性能モデルが価格下落により手の届く範囲になることもあります。
一方でデメリットは、パーツの劣化による寿命の短さ、保証期間が新品より短い、前所有者の使用状況が不明、将来のアップグレード時に古い規格が制約となる可能性などがあります。
特にゲーミングPCは高負荷での使用が想定されるため、グラフィックボードやCPUの劣化状況は慎重に確認する必要があります。
中古購入時の判断基準として、製造から3年以内のモデル、動作確認済みの表記がある、信頼できる販売店での購入、外観の状態が良好であることを重視しましょう。
自作PCでのパーツ選びとコストカット術
自作PCは5万円でゲーミング環境を構築する最もコストパフォーマンスの高い方法です。
新品と中古パーツを適切に組み合わせることで、限られた予算を最大限有効活用できます。
5万円自作PCの基本戦略は、新品推奨パーツ(グラフィックボード、電源、SSD)と中古可能パーツ(CPU、マザーボード、メモリ、ケース)を使い分けることです。
特にグラフィックボードは性能と安定性の要となるため、必ず新品を選択しましょう。
具体的なパーツ選択例として、グラフィックボード:GTX1650(新品約2.5万円)、CPU:Core i5-9400F(中古約1万円)、メモリ8GB(中古約0.5万円)、マザーボード(中古約0.5万円)、電源(新品約0.3万円)、SSD(新品約0.2万円)という構成が考えられます。
自作の難易度としては、初心者でも丁寧に行えば組み立て可能ですが、パーツの相性確認や初期設定に半日程度の時間が必要です。
また、トラブル発生時は自力で解決する必要があるため、ある程度の学習意欲が求められます。
アウトレット・型落ち新品の狙い方
アウトレット・型落ち新品は、新品でありながら大幅な価格下落を狙える第3の選択肢です。
モデルチェンジによる在庫処分や展示品処分を狙うことで、本来10万円以上するPCを5万円台で入手できる可能性があります。
アウトレット品が出るタイミングは、新モデル発表後の在庫処分期(1-3月、9-11月が多い)、決算期(3月、9月)、年末年始のセール時期などです。
特にBTOメーカーの在庫整理時期を狙うのが効果的です。
効率的な情報収集方法として、各メーカーのメルマガ登録、セール情報サイトのチェック、価格比較サイトでの価格推移追跡などが重要です。
ただし、アウトレット品は数量限定であることが多いため、情報を得たら迅速な判断が求められます。
注意点として、型落ちモデルは最新ゲームでの性能不足が生じる可能性があること、保証期間が短い場合があることを理解しておく必要があります。
5万円以下ゲーミングPCで動かせる人気ゲーム
実際に5万円以下で構築したゲーミングPC(GTX1650レベル)で、どのようなゲームがプレイできるのかを具体的なフレームレートとともに解説します。
APEX Legends|低設定で60fps前後

人気バトルロイヤルゲーム「APEX Legends」では、GTX1650環境において低設定で平均60-70fpsのフレームレートが期待できます。
ただし、戦闘が激化する場面では50fps台まで落ち込むことがあります。
競技性を重視するプレイヤーには物足りない可能性がありますが、カジュアルにプレイする分には十分楽しめるレベルです。
高設定では40-50fps程度まで低下するため、フレームレート優先で低設定を選択することを推奨します。
フレームレート改善のコツとして、テクスチャストリーミング割り当てを「低」に設定、アンチエイリアスをOFF、エフェクト品質を最低にすることで、さらに5-10fps程度の向上が見込めます。

マインクラフト|バニラなら快適動作

「マインクラフト」のバニラ版(MODなし)であれば、GTX1650環境で60fps以上の安定動作が可能です。
描画距離を最大にしても問題なくプレイできます。
ただし、高負荷なMODや大量のMODを導入した場合は、フレームレートが大幅に低下する可能性があります。
影MOD(シェーダー)を使用する場合は30-40fps程度まで落ち込むため、美しい映像を求める場合は性能不足を感じるかもしれません。

フォートナイト・VALORANT|設定調整で対応

「フォートナイト」では、中設定で80-100fps、低設定なら100fps以上の安定動作が可能です。
競技プレイにも対応できるフレームレートを確保できるため、この価格帯では優秀な動作環境と言えます。
「VALORANT」は非常に軽量なゲームのため、中設定でも150fps以上の高フレームレートが期待できます。
競技性の高いFPSゲームとしては十分な性能を発揮します。
これらのゲームは最適化が進んでいるため、GTX1650レベルの性能でも快適にプレイできますが、最新の重量級ゲームでは設定を大幅に下げる必要があることを理解しておきましょう。

5万円以下ゲーミングPCの必要最低スペック
5万円という限られた予算内でゲーミング環境を構築する際に、最低限必要となるスペックの目安を具体的に解説します。
CPUはCore i5・Ryzen 5以上を選ぶ
CPUはIntel Core i5-8400以上またはAMD Ryzen 5 2600以上を最低ラインとして考えましょう。
これより下位のCore i3やRyzen 3では、ゲーム動作時にCPUがボトルネックとなり、十分な性能を発揮できない可能性があります。
中古市場では、Core i5-9400FやRyzen 5 3600などが1-1.5万円程度で入手可能です。これらのCPUであれば、現在のゲームでも十分な処理能力を提供します。
GPUはGTX1650級が理想、内蔵GPUは厳しい
グラフィックボードはGeForce GTX1650を最低ラインとし、可能であればGTX1650 SUPERやGTX1660を選択したいところです。
内蔵GPU(Intel UHDグラフィックスなど)では、現代のゲームを快適にプレイするのは困難です。
GTX1650は新品で2.5-3万円程度、中古なら1.5-2万円程度で入手可能です。
VRAM(ビデオメモリ)は4GB搭載されており、フルHD解像度でのゲームプレイに必要最低限の容量を確保しています。
より上位のGTX1660やRTX3050が予算内で入手できれば、より快適なゲーム体験が期待できますが、5万円の制約下では GTX1650が現実的な選択となります。
メモリ8GB・SSD256GB以上の構成目安
メモリは8GB以上を必須とし、可能であれば16GBを選択しましょう。
最新のゲームでは8GBでも動作しますが、16GBあることで他のアプリケーションとの同時実行や、より安定した動作が期待できます。
ストレージはSSD256GB以上を推奨します。
HDDと比較して起動速度とゲームのロード時間が大幅に短縮されるため、ゲーム体験の向上に直結します。中古の256GB SSDなら3000-5000円程度で入手可能です。
中古ゲーミングPCを購入する際の注意点
中古ゲーミングPCは5万円以下で最も現実的な選択肢ですが、新品購入とは異なるリスクと注意点があります。
失敗を避けるための具体的なチェックポイントを詳しく解説します。
信頼できる販売店と保証期間の確認
中古ゲーミングPC購入では、販売店選びが成功の鍵となります。ドスパラ、パソコン工房、ソフマップなどの大手販売店では、動作確認済みの商品に1ヶ月程度の保証期間を設けていることが多く、初心者にも安心です。
これらの店舗では、購入前の動作確認、外観の詳細な記録、初期不良時の返品・交換対応が整備されています。
また、店舗によっては有料で保証期間を延長できるサービスも提供されています。
保証内容の確認項目として、
・保証期間の長さ
・対象となる故障内容
・修理時の費用負担
・返品・交換の条件
などを事前に確認しておきましょう。
特に中古品は初期不良のリスクが高いため、最低1ヶ月の保証は必須条件と考えてください。
フリマアプリでの個人売買リスクと地雷PC
メルカリやヤフオクなどのフリマアプリでは、店舗より安価でゲーミングPCが出品されることがありますが、個人売買特有のリスクを十分理解する必要があります。
特に注意すべき「地雷PC」の特徴として、スペック詐欺(実際より高性能に見せかけた表記)、故障の隠蔽(動作不良を隠した状態での出品)、改造による不安定性(素人改造による動作不良)などがあります。
個人売買での購入を検討する場合は、出品者の評価を必ず確認し、詳細なスペック表記がある出品を選び、可能であれば動作テスト動画の提供を求めるなどの対策が重要です。
また、ノークレーム・ノーリターンの出品は避けることを強く推奨します。
購入前のスペック確認と劣化パーツの見極め
中古ゲーミングPC購入前のスペック確認では、CPUの世代、グラフィックボードの型番、メモリ容量と種類、ストレージ容量と種類を正確に把握することが重要です。
劣化しやすいパーツの見極めポイントとして、グラフィックボードは動作時の温度やファンの騒音レベル、電源ユニットは製造年月日と容量の十分性、HDDは使用時間と健康状態をチェックします。
可能であれば、購入前にCPU-ZやGPU-Zなどのシステム情報表示ソフトでスペックの確認、CrystalDiskInfoでストレージの健康状態確認を依頼するのも有効です。
これらの確認ができない場合は、リスクを考慮した価格設定になっているか判断しましょう。
自作PC5万以下での具体的構成例
自作PCは5万円でゲーミング環境を構築する最も柔軟性の高い方法です。
新品・中古パーツの適切な使い分けと、将来のアップグレードを考慮した構成例を具体的に紹介します。
CPU・マザーボードは中古でも安心
CPUとマザーボードは故障リスクが比較的低いパーツのため、中古での購入が推奨されます。
Core i5-9400F(中古約1万円)と対応マザーボード(中古約0.7万円)の組み合わせが、コストパフォーマンスと性能のバランスに優れています。
メモリも中古で問題ありませんが、DDR4-8GB(中古約0.5万円)を選択し、将来的に16GBへの増設を考慮してスロットに余裕のあるマザーボードを選ぶことが重要です。
これらのパーツは長期使用による劣化が少なく、中古でも新品に近い性能を発揮するため、予算節約の効果が高い分野です。

GPU・電源は新品推奨パーツを選択
グラフィックボードと電源ユニットは、安定性と耐久性を重視して新品での購入を強く推奨します。
GeForce GTX1650(新品約2.8万円)と500W電源(新品約0.5万円)が基本構成となります。
グラフィックボードは最も故障リスクが高いパーツの一つであり、中古では前所有者の使用状況(マイニング使用、オーバークロックなど)による劣化が懸念されます。
新品であれば2-3年のメーカー保証も付帯するため、長期的な安心感が得られます。
電源ユニットも安定性に直結するパーツのため、80PLUS認証を取得した信頼性の高いモデルを新品で購入しましょう。
容量は将来のアップグレードを考慮して500W以上を選択することを推奨します。
ストレージは256GB SSD(新品約0.3万円)をシステムドライブとして新品で購入し、必要に応じて大容量HDDを追加する構成が効率的です。

初心者向け組み立て難易度とコツ
5万円自作PCの組み立て難易度は中級レベルです。
パーツ数が限られるため配線は比較的シンプルですが、中古パーツの動作確認や相性問題の解決に知識が必要となります。
組み立てのコツとして、最小構成でのPOST確認(CPU、メモリ、グラボのみでの起動確認)から始め、動作確認できたパーツから順次追加していく方法が効果的です。
初回組み立てには4-6時間程度を見込んでおきましょう。
必要な工具はプラスドライバー1本のみですが、静電気防止ブレスレットや結束バンドがあると作業がより安全・効率的に進められます。
また、組み立て前にマニュアルを熟読し、YouTube等の組み立て動画を参考にすることを強く推奨します。
5万円以下ゲーミングPCのデメリット
5万円以下でのゲーミングPC構築には確実にデメリットが存在します。
これらのデメリットを事前に理解し、自分の用途と照らし合わせて判断することが重要です。
画質設定とフレームレートで妥協必須
5万円以下のゲーミングPCでは、高画質設定でのゲームプレイは期待できません。
最新ゲームでは低〜中設定での動作となり、60fps安定が目標ラインとなります。
特に重要な妥協ポイントとして、テクスチャ品質の低下による映像の粗さ、影やライティング効果の簡略化、遠景描画距離の制限などがあります。
美麗な映像を期待する方には物足りない結果となる可能性が高いです。
競技系ゲーム(APEX、VALORANT等)では問題ありませんが、RPGやアドベンチャーゲームなど映像美を重視するジャンルでは、ゲーム体験が大きく損なわれる場合があります。
拡張性の限界とアップグレード困難
予算制約により選択したパーツは、将来のアップグレードにおいて制約となる場合があります。
特に古い世代のCPUソケットでは、新しいCPUへの換装時にマザーボード交換も必要になります。
また、電源容量の不足により、上位グラフィックボードへの換装が困難になる場合があります。
GTX1650から RTX4060への換装を考えた場合、電源ユニットの交換も必要となり、追加費用が発生します。
メモリスロット数の制限により、8GBから32GBへの大幅な容量増加が困難な場合もあるため、将来性を考慮するなら、最初から16GB構成を選択することを推奨します。
古いパーツによる電気代・維持費増加
月間100時間のゲームプレイを想定した場合、古いパーツ構成では月額電気代が1,000-1,500円程度高くなる可能性があります。
年間では12,000-18,000円の差となり、長期的には新品購入との価格差が縮まることもあります。
また、古いパーツは故障リスクが高く、保証期間も短いため、修理費用や買い替え費用が早期に発生する可能性があります。
これらの隠れたコストも考慮した上で、総合的な判断を行うことが重要です。
まとめ
5万円以下でゲーミングPCを手に入れることは不可能ではありませんが、確実にデメリットと制約があります。
まずはご自身のスキル・時間・リスク許容度を考慮して、最適な方法を選択することをおすすめします。
もし予算に余裕があるなら、10-15万円程度まで予算を増やすことで、より快適で長期間使用できるゲーミングPCを手に入れることができます。
5万円という制約の中で最適解を見つけるか、予算を見直すかの判断が、満足度の高いゲーミングライフへの第一歩となるでしょう。
